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 一軒の住宅には外壁,屋根,破風など様々な部分があります.それらを作る素材もまた多種多様です.

 

この住宅を構成する素材は月日とともに劣化します.特に日光や雨風にさらされるなど,状況の変化が激しい部分は劣化が早い傾向が

 

あります.また素材により劣化の速度は異なります.特に劣化の早い素材は,木部と鉄部です.これらについては特に注意が必要です.

 

 経年劣化は避ける事が出来ませんが,劣化対策の1つに塗装工事があります.塗装する事で素材表面に塗膜を作り,雨風や紫外線から

 

素材をガードし,劣化を止める事が出来ます.近年話題の遮熱塗料は,劣化の大きな原因の一つである熱(赤外線)を塗膜で遮って,

 

中に通しにくくするため,その効果が期待出来ます.日差しを強烈に受ける部分である屋根に塗装したときの効果が特に期待出来ます.

 

   塗装する塗料を選ぶ時に重要な点は,塗料の『耐久年数』と『性質』です.耐久年数の長さに比例し,塗料も高価になります.ウレ

 

タン,シリコン,フッ素などと,大まかに塗料のグレードを区別します.これは(塗膜形成の主体となる原料である)樹脂の種類を

 

表すものです.正確には,ウレタンはアクリルウレタン樹脂塗料もしくはポリウレタン樹脂塗料,シリコンはアクリルシリコン樹脂塗料

 

もしくはセラミックシリコン樹脂塗料,フッ素はフッ素樹脂塗料です.ウレタン,シリコン,フッ素の順に耐久数が長くなります

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 塗料の『耐久年数』は大切な事ですが,塗料の『性質』を考慮することもまた必要です.すなわち,住宅の多種多様な素材1つ1

 

つに合わせた塗装をする,という事です.下地への密着度や塗膜の性質は塗料により異なります.耐久年数が長いものでも,素材に

 

合わない性質のものを塗装すると,剥がれてしまったり,割れてしまったりする事もあります.また塗料にはそれぞれ特有の臭い

 

があります.住宅が密集するところでは特に注意し,低臭のもの,人体に安全なものを使用することが必要です.また風が強く塗料

 

飛散の可能性の高い状況での塗装は控えます.

 

   モルタルとサイディングは最も多い外壁の種類です.これらの外壁の塗装行程を挙げ,塗料の『耐久年数』と『性質』についてご説明

 

します.外壁塗装の一般的な塗装行程は,『1,下塗り』『2,中塗り』『3,上塗り』の計3回の塗装です.(例外として磁器タイルや

 

高意匠性サイディングへの透明なクリアー塗装がございます.塗装行程は『1,下塗り』『2,上塗り』の計2回の塗装です.外壁面の

 

十分な洗浄の後に,密着性の高いクリアーを2回塗装します)

 

 

1,下塗り まず下塗り材が,塗装面に密着し中塗りのための土台をつくります.下地に合わない塗料を塗装してしまうと,塗装した

 

塗膜の剥がれや,(既存の)旧塗膜が起きてくることがあります.下塗りの選択で特に注意すべき事は,既存下地との密着度です.

 

上記の住宅密集地での臭気についてですが,密着度が高いものほど臭気が強い(臭い)傾向があります.下地との密着度と,ご近所の

 

状況も考え合わせた塗料選びが必要です.下地の劣化具合や吸い込み具合,また割れの有無も適切に見極めて下塗り材を判断します.

 

吸い込みが激しい下地には吸い込みを止めるものを,軽度の割れがある下地には割れを埋めるものを選択します.下塗りによる土台が

 

出来上がっていないと,次の行程で必要量の中塗り材を塗装できないため,正規の塗装より耐久年数が著しく短くなります.また下塗り

 

の塗料により藻類やカビの発生を防ぐことが出来ます.(下塗り材が完全に乾いたら中塗りに移ります)

 

 

2,中塗り 中塗りと上塗りは通常同じ塗料を塗装しますが,まれに中塗り専用の塗料もあります.中塗り材を仕上がりの色(上塗り)

 

と変えて塗る場合もありますが,これは上塗りの塗り忘れ防止のためです.中塗り材,上塗り材は防水能力が高く,日光に対しての

 

耐久性に優れている塗料を選択します.塗料の耐久年数は様々なものがあります(ウレタンは8〜10年,シリコンは12〜15年,フッ素

 

は15〜20年と言われております).先に塗装した下塗りとの相性も選択する上で重要です.相性が良くないと,密着度が悪く,はじい

 

た様になって乾く事もあります.下塗りと同様にご近所への臭いの配慮が必要です.下塗り材と同じく藻類やカビの発生も防ぎます.

 

(中塗り材が完全に乾いたら上塗りに移ります)

 

 

3,上塗り 上塗りすることで,中塗りの状態より耐久年数が増します.艶あり塗料の場合は(中塗り完了時より)光沢がさらに美し

 

くなります.艶を抑えた塗料の場合は(中塗り完了時より)さらに上品な仕上がりになります.仕上がりの色の感じは,色見本帳で

 

見るのと微妙な違いがあります.お客さものイメージに合うように色選びのお手伝いをします.さらに艶の度合いで,外壁の感じが

 

かなり変わりますので,よりお客様のイメージに合うよう艶の度合いを選択します(塗料によっては,艶の選択が出来ないものもあり

 

す).また,塗料によっては塗膜に汚れが付きにくい性質で,たとえ付いても落ちやすかったり,遮熱効果のあるものなど様々な

 

性質のものがあります.

 

 外壁塗装と同じように屋根の塗装も下塗り,中塗り,上塗りの計3回の塗装行程が一般的です.鉄部においては錆び止めを,木部に

 

おいては木部用の下塗りを塗装した後に外壁の例と同じく防水性が高く,日光に対して耐久性に優れている中塗り材,上塗り材を塗装

 

し仕上げます.

 

 これらのように一軒の住宅を塗装するには多数の行程が必要です.また,一軒の住宅塗装では6〜10種類位の塗料を用います.塗

 

装工事で住宅に長い耐久性を持たせ,見た目にも美しくするには,それぞれの塗料の性質を生かし,正確な行程で塗り重ねることが

 

必要です.塗料の希釈率を守る事も大切です.

 

また,住宅それぞれの部分における耐久年数のバランスをとる事も必要です.塗装工事の数年後,外壁だけピカピカで,破風の木部が

 

ボロボロではバランスがとれた塗装とは言えません.

 

 

 ページのはじめに,塗装工事により住宅各部分の劣化を止める事が出来ると書きました.さらに塗装工事をすることにより新築の

 

ような外にする事が出来ます.外出先から帰って来た時,きれいに塗装された我が家を仰ぎ見て,明るい気持ちになっていただける

 

事と確信しております.

 

 ※ 順番が前後しますが,塗装するためには高圧洗浄やケレン作業を行い,塗装する面を塗装出来る状態にする必要があります.下

 

処理を省きますと剥がれが起こる原因となります.また美しく仕上げることは出来ないでしょう.割れや隙間の補修も塗装前に行い

 

ます.

 

 

  



          

         塗装工事のご案内

 

屋根耐久年数

樹脂

ウレタン

シリコン

フッ素

8〜10年

外壁耐久年数

5〜7年

6〜8年

12〜15年

15〜20年

8〜10年

 

  各部塗装工事のご紹介

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